日和見びより日記

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品川駅〜居木橋を歩いた

仕事で居木橋のあたりに行かなければいけなかったので最寄駅は大崎だけど手前の品川で降りて散歩がてら向かうことにした。歩いて約20分ほどのルート。

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品川駅はそんなに頻繁に来ないのでいつも港南口と高輪口を間違えてしまう。今回も高輪口に出たかったのに港南口に出てしまった。

JRの中央改札を出ると港南口側に例のデジタルサイネージがずらっと並んだ通路があるのがよくない。俺の中で品川駅といえばあのデジタルサイネージロードというイメージが出来上がっているので、それをみた瞬間に「こっちがメインの出口だな」と思ってしまう。

さらに俺の中で高輪口の方がメインの出口という印象も確立されてしまっているので、改札を出た瞬間に「サイネージがある方=メインの出口=高輪口」という公式が成立してしまうのだ。いやはや一度定着した固定観念を払拭することの難しさよ。コペルニクスはすごい(話がでかい)

 

もう一度高輪口側に引き返すのも癪なのでそのまま港南口から目的地へ向かう。

そういえば港南口には昔とんねるずのみなさんのおかげでしたの汚なシュランで取り上げられた「こしょうそば」を出す町中華があったな、そこで昼ご飯食べるかと思って調べたら2015年に閉店していた。もう8年も前か、品川に来てなさすぎだ。何度か食べに行って気に入っていたので残念だが、どうやら息子が新浦安にある自分の店で進化版のこしょうそばを出しているらしい。いつか機会があったら食べたい。

 

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北品川駅方面を目指して八ツ山通りを進んでいると交差点の角に気になる建物を見つけた

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妙に味のある古民家だ。レストランのようだが何かいわれのありそうな建物である。

 

あとで調べてみると居残り連というお店で、居残り佐平次という落語に出てくる鰻屋「荒川屋」の跡で営業しているようだ。

へー、と思いつつ居残り佐平次という落語を聞いたことがなかったので古今亭志ん朝居残り佐平次YouTubeで見てみた。

古今亭志ん朝 居残り佐平治 - YouTube

 

どうやら志ん朝の得意ネタらしく、特に落語に詳しいわけではないのだが、これはすごいと思わされる喋りでめちゃくちゃ引き込まれてしまった。50分とは思えないくらいあっという間だった。まぁあっという間でいうと霜降り明星粗品YouTubeでやってるファーストトークっていうひとつのテーマで1時間喋り倒すやつもすごいけどね。

話がずれたが、こうやって散歩して時代は違えどリアルにその町を体感していると落語のようないわゆる古典物も一気に臨場感が出て身近に感じられて楽しい。やはり知識よりも体得である。

 

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そんな居残り連のある交差点を右に曲がり旧東海道へと出る。これといって古い街並みが残っているわけではないのだが、なんとなくのんびりとした空気が流れていて、幹線道路よりもこういう道をずっと歩いていたいなと思う。でも江戸時代にはこの道がいわば幹線道路だったわけで、100年後には今の246とかに郷愁を感じているのだろうか。古き良き片側3車線みたいな。

 

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旧東海道沿いのまいばすけっとの屋根がちょっと日本家屋っぽくなっていて、本当にそういう意図があるのか、何かしらの機能的なものなのかは分からないが、こういうのが良い。

 

東海道を少し川崎方面に進んで、すぐに曲がって第一京浜にぶつかる手前、京急の線路は渡らずに線路沿いの道を行く。舟盛りの舟が積んである魚屋があって舟盛りの舟的には港で出港を待っている状態だなと思う。景気の波が荒れていると舟盛りの出番も少なくなるだろう。この舟にとってのシケは景気だ。給料あげてくれ。

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で、この路地にあったロビンソンクルーソーカレーハウスというカレー屋でランチ。外観が隠れ家っぽいし雨が降っていたのもあって、流れ着いてたどり着きました感がある。良いロビンソンクルーソーっぷりだ。

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カレーの上に揚げ鶏の乗った高輪カレーをいただいた。カレーは口に入れると甘さがあって家で食べる懐かしいカレーっぽさがあるんだけど、すぐにしっかり辛さがきて家のカレーとは違うことを教えてくれる。揚げたての鶏も皮がパリパリでたまらない。

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Googleマップに投稿されていた2年前のメニューでは950円だったのが1,100円になっていたことだけが世知辛い。いや、お店は全く悪くないし、美味しいメニューを提供し続けてもらうために値上げはちゃんとしてもらった方がいい。だから給料あげてくれ。

 

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第一京浜を渡って御殿山通りに入る。品川の面白いところは海に近いエリアの下町感と高輪・御殿山の武蔵野台地エリアのハイソ感が隣り合っているところだ。グラデーションとかなくていきなり切り替わるので街並みも嘘みたいにガラッと変わる。ディズニーランドにあるウェスタンリバー鉄道というアトラクションで最後いきなりジュラ紀にタイムスリップして恐竜を見せられるのと同じような感覚である。あの唐突感が品川で味わえるのだ。

 

ところでGoogleマップを見ていたら天神湯のそばにフモトというマンションがあった。たしかに御殿山のフモトであることには違いないが、ここが御殿山のフモトだなぁと思ったことはなかったので発想の勝利というか、かなりイカしたネーミングである。

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さて、御殿山橋の登って降りてまた登ってのアップダウンがちょっとしたアトラクションみたいでやっぱウェスタンリバー鉄道やんと思いながら進むと、あっという間に周りは高級マンションばかりである。

 

またこの辺りは大使館もたくさんあるが、御殿山通り沿いにもあるようで、どこかの国の旗が見えてきた。あの旗はカメルーン🇨🇲か?と思って入り口の表記を見たらミャンマー🇲🇲だった。3色の向きと星の色が違う。惜しい。そしていちいち調べなくても国家の絵文字が出てくるの便利だな。

 

あとミャンマー大使館の表記、六本木ヒルズのロゴの上位互換か?

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木橋に向かって御殿山通りが折れる角に翡翠博物館という建物があった。調べてみるとどうやら個人が集めた翡翠石を展示している私設博物館のようだ。建物もモダニズム的こだわりがありそうで気になる。また時間があるときに行ってみよう。

 

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そんなことを思いつつ再び御殿山から下山し、居木橋へ到着。居木橋から大崎駅へ向かうときはゲートシティ大崎という商業ビルを通り抜けると近道だが、このゲートシティ大崎に気になる店がある。オリーブの木というレストランだ。

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オリーブの丘なら聞いたことがあるという方も多いかもしれないが丘ではなく木である。オリーブの丘は外食大手のゼンショーグループが運営するファミレスで関東中心に50店舗ほどあるが、一方のオリーブの木はここ大崎と三軒茶屋練馬区の光が丘の3ヶ所にしかない。しかもネットで調べても店舗一覧ページや公式サイトが出てこないという謎っぷりだ。ちなみに筆者は光が丘出身でオリーブの木に小さい頃から時々行っていたので余計気になってしまう。

 

よくよく調べるとどうやらオリーブの木はかつてあのドトールが運営しており店舗数ももっとあったようだが、今ではドトールのホームページにはオリーブのオの字も載っていない。

 

ここからは推測だが、ドトールが運営から手を引いた後もそのまま屋号を受け継いで各店舗が独自に運営を続けても良い、ということになりいくつかの店舗がそのまま残り、この3店舗が今でも運営を続けているということではないだろうか。もしそうだとするとこの3店舗はかつては同じグループだったものの、今ではもはや経営的なつながりはなく、同じ屋号ではあるがメニューや味も違う可能性があるのではないだろうか。でも独立した後も各店舗連絡を取り合ってノウハウをシェアしたりしているのだろうか。気になることばかりなので、とりあえず早いところ3店舗を回って色々比較してみたいと思う。

 

というわけで20分ほどしか歩いていないのにかなりの長文になってしまった。こんなことを考えながら歩いています。