日和見びより日記

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半分のナン

夏休み明け久しぶり(といっても5日ぶり)の仕事だったのであまりやる気が出なかったがやるべきことをこなして昼休みになった。

近くのギャラリーで始まった展覧会をチェックしにいこうと思ったが外に出たら雨が降っていた。ビル最上階のオフィスまで傘を取りに戻るのも面倒なので大人しく一番近くの商業施設の地下レストラン街に駆け込んでお昼ご飯にすることに。

ここの地下レストラン街ではリンガーハットかカレー屋かの二択(他は高い)なので迷う余地が少なくて助かる。とはいえ一度リンガーハットの前まできて今日はリンガーハットの気分ではないことを確かめてからカレー屋に。ちゃんぽんの食べたさを頭の中だけで想像するのは難しい。

 

カレー屋ではランチセットを注文しナンを一枚お代わりした。ランチのナンお代わり無料のシステムはどこのカレー屋でも導入されている。コーランにでも書いてあるの?

隣の席のおじさんもナンをお代わりしていたが「ナンお代わり、半分で」というオーダーをしており、なるほどそういう頼み方もできるのかと感心した。

でも半分残ったナンはどうするのだろう。再び半分のナンが頼まれるまで待機するのだろうか、でもあんまり頼む人いなそうだし店員が食べたりしてるのかな。半分のナンがたくさん捨てられていたら可哀想だ。半分のナンとか一番成仏できなそうだもんな。

なんてことをぼんやり考えているうちに隣の席に半分のナンが運ばれてきた。ところで半分のナンと聞いてどのように切られたナンを想像するだろうか。

僕はなぜか勝手に短い辺の方をカットするイメージを持っていた。ナンを前方後円墳に例えるならば前方と後円を切り分けるようなイメージだ。

しかし運ばれてきたナンは長辺で真っ二つされていた。ちょうどこんな感じに。

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思わず「半分ってそっちか!」と声にでそうになった。よく考えれば確かにこの切り方の方がちゃんと半分になる。ナンという線対称図形の対称軸は確かにここだ。

でも皿に乗せるには短い辺でカットしたほうが収まりはいいし、切るのもその方が楽だ。だからこそ僕も勝手にそう切るもんだと思ってしまったのだろう。

しかし対称軸で切られたナンをみると、ナンにとっての切り方の正解はこれだなと感じた。半分になってもナンのアイデンティティーが維持されている。これこそがインド人のナンに対するリスペクトなのだ。

 

そんなことを考えながら食後のチャイを飲み干して仕事に戻った。