午前中は幼稚園の親子ふれあいデーがあり幼稚園に。サイエンスショーらしい。そう聞くとちょっと前に科学の出前授業で液体窒素撒きまくって子どもたちが怪我をした事故を思い出してしまう。撒かないでくれよ、液体窒素。
ふれあいデーとか言いつつ子どもと親の席が完全に分けられていて、ふれあいのふの字も感じられなかった。これがポストコロナ時代のふれあいか!とか思っているとショーがはじまった。出てきたのは陽気なおじさん、その名もチャーリー西村だ。
胡散臭い名前だなと思ったが、進行はめちゃくちゃ上手くて教室は超盛り上がっていた。帰って調べたらでんじろう先生の一番弟子だった。そりゃ上手なわけだ。Wikipediaもある。もっとちゃんと見ておけばよかった、チャーリー。
実験は大きく二つで空気砲と静電気。どちらも科学実験としてはかなり初歩的だが、そこは幼稚園、どちらもしっかり盛り上がった。
特に巨大な空気砲が出てきた時の盛り上がりはすごかった。チャーリー西村が出てきた時の5倍盛り上がっていた。
もちろん楽しいだけじゃなくて科学的な説明もしてくれて、空気砲から出る空気の威力が強くて遠くまで届くのは空気が回転していてタイヤのように進むからと教えてくれた。確かによく見ると空気の輪の外側がぐるぐると回転している。普通に知らなくて、へぇーとなった。さすがチャーリー、大人もちゃんと楽しませてくれる。
空気砲から出る空気の威力が強いのは当たり前のことで、そもそもなんで?と考えたことがなかったが、言われてみたら理由は分からない。そういうことって意外に身近にたくさんあるんだろう。子どものイベントに参加するとそういう目線を思い出させてくれるのがいい。親子ふれあいデーって親(が)子(の思考に)ふれあいデーってことか。これぞ新しい時代の親子ふれあいデーである。(曲解)
午後は見に行きたかった恵比寿映像祭に一人で行ってきた。恵比寿映像祭は2009年から毎年2月に恵比寿の東京都写真美術館をメイン会場として開かれている展覧会で今回が16回目だ。俺は第4回「映像のフィジカル」で最初に行ってそこからちょいちょい足を運んでいる。最近はあんまり行けてなくて、第10回「インヴィジブル」以来だった気がする。なんせ会期が2週間しかないので、行きたい!と思っているうちに毎回終わってしまうのである。
今回のテーマは「月に行く30の方法」ということで、ぶっちゃけ作品自体は直接的に宇宙はあまり関係ないのだが、一見宇宙とは関係なさそうな様々なアーティストの実験的な試みが実は月に行く方法のヒントになっているかもね、という趣旨のタイトルになっている。ちなみに土屋信子というアーティストの同名の作品が展示されており、そこから引用されたタイトルだ。
土屋が世界各地で見つけてきた素材を自由に組み合わせて作ったオブジェがたくさん並んだ作品で、ひとつひとつのオブジェの意味は説明されていないし見ても全然分からないが、「月に行く30の方法」と題されてまとめられると、なんとなく分かりそうな気がしてくるから不思議だ。
俺が一番気に入ったのはこのオブジェ。佇まいが無性に可愛らしく、一番宇宙みがある。
会場に割と声が大きめのおじさん二人組がいたのだが、会話を聞いているとどうやらタイトルから宇宙科学展だと思って来てしまったらしい。スタッフに月に行くための最新技術とかそういう展示があるわけではないんですか??と聞いてきた。まぁこのタイトルだとそう思っても仕方ない。そう思って来てしまうと予想していた展示とはかなりかけ離れているわけで、でも一応展示は見て分かんねぇな〜を連発して会場を去っていった。その姿が妙に微笑ましかった。言うなれば普通は出会わない因子がぶつかった瞬間なわけで、地球そして生物が生まれた奇跡の超ちっちゃい版とも言えなくない。こういう偶然の出会いも月に行く方法のひとつなのかもしれない。他にも色々面白い展示があったので詳しくは別記事で書きたい。